詰将棋家族3
僕は無事に小学校に通えることになったよ。
パパとママはランドセルに将棋の本を詰め込んでしまった…
担任の先生は、一通りあいさつしてから、僕の名前を呼んだ。
坂本りょうまくん、立派な名前だこと。ねぇ先生違います。
先生は不思議そうな顔をしたから、説明してあげることにした。
将棋で一番強いのは、龍と馬だから、りゅうまです。
先生ね、将棋知らないのよ。まぁいいわ。
…ひ…うま…しゃ…め…にゅう…
りゅうまくん? まぁ構わないわ。他の子に読んでもらうわね。
その男は壁を「飛」び、「馬」ならぬ「車」に乗り、と「め」
あの、りゅうまくんね。平仮名憶えてきてね。
帰ってからカネさんに教科書を見せたら、しばらく考えていた。
よしよし、平仮名は教えてあげるよ。安心して学校に行くんだね。
やっぱりカネさんは優しいや。でもパパがカネさんに言った。
パパそれ〜自分が解けなかったヤツじゃない? 確か21手詰めだよ。
でもカネさんは、こともなげに言ってのけた。それ 73歩不成でないと詰まないよ
? 違うのかい。
パパは不機嫌そうに黙ってしまった。カネさん正解だよ! やっぱりスゴいなぁ。
無双21番